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 ホーム ニュースリリース EU|水政策分野で監視物質のウォッチリストを更新する欧州委員会実施決定が公布

優先物質特定のためのデータ収集対象リスト

 2022年07月26日、「欧州議会及び理事会指令2008/105/ECに従って水政策分野でEU全体の監視のための物質のウォッチリストを確立する2022 年07月20日付欧州委員会実施決定(EU)2022/1307」が公布されました。これにより決定 (EU) 2020/1161は廃止となります。背景にある指令2008/105/ECは、良好な地表水の化学的状態を達成することを目的として、指令2000/60/ECの第4条の規定と目的に従って、第 16 条に規定されている優先物質と特定の他の汚染物質の環境品質基準(EQS)を定めています。

背景 

 次項に示す直接的な根拠条項も含め、今回の動きを概説すれば、次の通りです。まず水政策分野の水汚染について、規制化が優先的に検討される優先有害物質特定のための情報収集を行う必要があり、それは「ウォッチリスト」という形で整備されています。それは、欧州委員会が定期的に更新・公表する必要があるもので、今回の実施決定はその動きに相当します。

 ウォッチリストに含まれる物質は、入手可能な情報から、水生環境に対して、または水生環境を経由して、EUレベルで重大なリスクをもたらす可能性があり、モニタリングデータが不十分なものから選択されます。

 今回の動きの最も上流にある法令は、「水政策分野枠組み創設指令指令2000/60/EC」となります。この指令の第16条「水汚染に対する戦略」では、様々な規定が設けられていますがそのうちの一つに、次のような規定があります。

1.欧州議会及び理事会は、飲料水の取水に使用される水に対するリスクを含め、水生環境に重大なリスクをもたらす個々の汚染物質または汚染物質群による水の汚染に対する特定の措置を採用しなければならない。これらの汚染物質に対する措置は、漸進的な削減を目的とし、第2条(30)に定義する優先有害物質については、排出、放出及び損失の停止又は段階的廃止を目的としなければならない。このような措置は、協定に定められた手続きに従って、委員会が提示した提案に基づき採択されなければならない。

2.欧州委員会は、水生環境に対して重大なリスクをもたらす、または水生環境を経由する物質の中から選択した優先物質のリストを定めた提案書を提出するものとする。物質は、以下の方法で特定される水生環境に対する又は水生環境を経由するリスクに基づいて、優先的に措置が検討されなければならない。

(略)

令2000/60/EC 第16条より一部引用・仮訳

リスト確立の根拠条項

 指令2008/105/ECの第8b条では、ウォッチリスト確立について、次のように規定しています。

1. 欧州委員会は、指令2000/60/ECの第16条(2)に従い、特に第5条に基づく分析及びレビュー、並びに同指令の第8条に基づくモニタリングプログラムからのデータを補完するために、将来の優先順位付け作業を支援する目的で、EU全体のモニタリングデータを収集する物質のウォッチリストを制定しなければならない。

(中略)

 ウォッチリストに含まれる物質は、入手可能な情報から、水生環境に対して、または水生環境を経由して、EUレベルで重大なリスクをもたらす可能性があり、モニタリングデータが不十分なものから選択されなければならない。

(中略)

2.欧州委員会は、2014年09月14日までに第1項のウォッチリストを作成し、その後24ヶ月ごとに更新しなければならない。ウォッチリストを更新する際、欧州委員会は、指令2000/60/ECの第16条(2)に言及するリスクベースの評価が、追加のモニタリングデータなしで結論付けられる物質を削除するものとする。個々の物質に関する継続的なウォッチリストの監視期間は、4年を超えてはならない。

(中略)

3. 加盟国は、ウォッチリストの各物質を、選択した代表的なモニタリングステーションで、少なくとも12ヶ月間モニタリングしなければならない。

(中略)

 その後のリストに含まれる各物質については、加盟国はリストに含まれてから6ヶ月以内にモニタリングを開始しなければならない。

2008/105/EC 第8b条より一部引用・仮訳

更新リスト

 実施決定で示されているリストは次の通りです。原文で注釈のある部分の詳細については原文を参照ください。

物質(群)名 CAS number EU number 分析手法 最大許容検出限界値/
最大許容定量限界値(ng/l)
Sulfamethoxazole 723-46-6 211-963-3 SPE-LC-MS-MS 100
Trimethoprim 738-70-5 212-006-2 SPE-LC-MS-MS 100
Venlafaxine andO-desmethylvenlafaxine 93413-69-593413-62-8 618-944-2700-516-2 SPE-LC-MS-MS 6
Azole compounds     SPE-LC-MS-MS  
Clotrimazole 23593-75-1 245-764-8   20
Fluconazole 86386-73-4 627-806-0   250
Imazalil 35554-44-0 252-615-0   800
Ipconazole 125225-28-7 603-038-1   44
Metconazole 125116-23-6 603-031-3   29
Miconazole 22916-47-8 245-324-5   200
Penconazole 66246-88-6 266-275-6   1 700
Prochloraz 67747-09-5 266-994-5   161
Tebuconazole 107534-96-3 403-640-2   240
Tetraconazole 112281-77-3 407-760-6   1 900
DimoxystrobinAzoxystrobin 149961-52-4131860-33-8 604-712-8603-524-3 SPE-LC-MS-MS 32
200
Famoxadone 131807-57-3 603-520-1 SPE-LC-MS-MS 8,5
Diflufenican 83164-33-4 617-446-2 SPE-LC-MS-MS 10
Fipronil 120068-37-3 424-610-5 SPE-HPLC-MS-MS 0,77
Clindamycin 18323-44-9 242-209-1 SPE-LC-MS-MS 44
Ofloxacin 82419-36-1 680-263-1 SPE-UPLC-MS-MS 26
Metformin andGuanylurea 657-24-9141-83-3 211-517-8205-504-6 SPE-LC-MS-MS 156 000 
100 000
Sunscreen agents        
Butyl methoxydibenzoyl-methane 70356-09-1 274-581-6 SPE-LC-MS-MS/ESI 3 000
Octocrylene 6197-30-4 228-250-8   266
Benzophenone-3 131-57-7 205-031-5   670

 

参考

■ 実施決定(EU)2022/1307/欧州官報

 

本記事の著作権は、株式会社先読に帰属します。なお、記事の相互掲載について、当社と株式会社先読との間で合意がなされています。
転載元:株式会社先読 (URL: https://www.sakiyomi.co.jp/)

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